本日は、「取引相場のない種類株式の相続税の評価方法の明確化」についてです。
中小企業の事業承継において活用が期待される下記の種類株式について、その評価方法が明確化されます。
@ 配当優先の無議決権株式 (会社法108条1項1号・3号)
普通株式と同様に評価することが原則となります。ただし、相続時の納税者の選択
により、相続人全体の評価額が変わらないという前提で、無議決権株式にいて普通
株式評価額から5%を評価減する方法を導入することができます。
※ その場合、その評価減した分は、議決権株式に加算します。
A 社債類似株式
下記の5つの要件のすべてを満たす社債に類似した特徴を有する種類株式は、
社債に準じた評価(発行価額(払込金額)と配当に基づく評価)がされます。
a. 優先配当
b. 無議決権
c. 一定期間後に発行会社が発行価額で取得(一定期間後に償還される)
d. 残余財産は発行価額を上限とする
e. 普通株式への転換権なし
B 拒否権付株式 (会社法108条1項8号)
これは、株主総会の決議事項のうち、その決議の他、その種類株主の種類株主
総会の決議を必要とする株式です。
これについては、普通株式と同様に評価されます。
なお、新会社法においては公開会社でない株式会社においては、従来は発行済株
式総数の2分の1までであった議決権制限株式の発行限度が撤廃されました。
(会社法115条)
そこで、議決権制限株式の活用により、事業承継者以外の相続人が過半数の無議
決権株式を相続した場合であっても、事業承継者である相続人が会社の支配権を確
保することが可能となります。
明日からは、金融・証券税制に移ります。
|