Ｑ７９　　募集株式の引受人が、株式会社に対して、一定の金額を支
　　　　　　払う義務を負うのは、どのような場合ですか？

  Ａ７９　 下記の場合場は、一定の金額を支払う義務を負います。
　　　　　（会社法２１２−T）
　　　@イ．取締役と通じて、著しく不公正な払込金額で募集株式を引
　　　　　　き受けた場合
　　　　 ロ．その払込金額とその募集株式の公正な価額との差額を支
　　　　　　払わなければなりません。
　　　Aイ．募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出
　　　　　　資財産の価額が、募集株式の決定に際し定められた価額に
　　　　　　著しく不足する場合
　　　　 ロ．その不足額を支払わなければなりません。

  Ｑ８０　　Ａ７９Aの場合に、その取締役が義務を免れることができる
　　　　　 場合は、ありますか？
　

　Ａ８０　以下の場合、その取締役等が義務を免れることができます。
　　　　　（会社法２１３−U）
　　　@　現物出資財産の価額について、裁判所の選任に係る検査役
　　　　　の調査を経た場合
　　　A　その取締役等がその職務を行うについて、注意を怠らなかっ
　　　　　たことを証明した場合

  Ｑ８１　株式会社は、株券を発行する必要がありますか？

　Ａ８１　　
　　@　株式会社は、株券を発行しないのが原則です。
　　A　しかし、定款で株券を発行する旨を定めることができます。
　　　　　（会社法２１４条）
　　B　Aの定めのある株式会社（株券発行会社）は、原則として株券
　　　　を発行する必要があります。　（同２１５−T）
　　C　公開会社でない株券発行会社は、株主から請求があるまで
　　　　は、株券を発行しないことができます。　（同２１５−W）
　　D　また、株券発行会社は、株券を発行する旨の定款の定めを廃
　　　　止することができます。　（同２１８条）

　Ｑ８２　株券発行会社の株主は、株券不所持の申出をすることはでき
　　　　　ますか？

　Ａ８２　　株主は、株券不所持の申出をすることができます。　
　　　　　　（会社法２１７−T）

  Ｑ８３　株式会社は、株主に交付する株式の数に、１株に満たない端
　　　　　数があるときは、どのような措置を取る必要がありますか？

  Ａ８３　その端数の合計数に相当する数の株式を競売し、かつ、その
　　　　　端数に応じて、その競売により得られた代金をその株主に交付
　　　　　しなければなりません。　（会社法２３４−T）

  Ｑ８４　株式に関する事項のうち、登記事項となるものは、何ですか？

  Ａ８４ 　下記の６つが、株式に関する登記事項となります。
　　　　　　（会社法９１１−VE〜J）
　　　@　発行可能株式総数
　　　A　発行する株式の内容（種類株式に関する事項を含みます。）
　　　B　単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元
　　　　　株式数
　　　C　発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数
　　　D　株券発行会社であるときは、その旨
　　　E　株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び
　　　　　住所並びに営業所

  Ｑ８５　　募集株式の発行による変更登記の登記期間は？

  Ａ８５　 下記の期間内に、その本店所在地において、変更登記を申請
　　　　　しなければなりません。
　　@　払込等期日を定めたときは、その期日から２週間以内
　　　　（会社法９１５−T）
　　A　払込等期間を定めたときは、その期間の末日現在で、その末日
　　　　から２週間以内　（同９１５−U）

　　※　明日からは、次章「新株予約権」に移ります。